トゥサンと近所のおじいさん

去年や一昨年の記事でも書いていますが・・・フランスでは、11月1日はみんながお墓参りをする習慣があります。私たちもお墓参りに行って来ました。

トゥサン(Toussaint)といって、日本語では諸聖人の日。お彼岸のような感じかな?年に一度だけ、この時期はお墓にお花が多くなります。いつもガラガラなお墓には、車も人もたくさんいました。と言っても、敷地が広いので混んでいる感はまったくありませんが。

すぐ上の義兄の車で義両親と息子と出発しましたが、義弟家族も後からやってきました。珍しく奥さんと娘も一緒。年に一度のこの日くらいはお墓参りに来てくれるようです(といっても今年からですけど)。とにかくありがたい。ちなみに、一番上の義兄は、夫が亡くなってから一度くらいしかお墓参りに行っていないはず。去年のトゥサンにも来た形跡がありませんでした。

お墓というのは、残された人のためということは分かっていても、お墓参りをしてくれたら「ありがたい」と感じてしまいます(私が)。「お墓参りよりも心で想うことの方が大事」と言われてしまえばそれまでですが、一番上の義兄はそれすら怪しい・・・同じ兄弟でもそれぞれ違いますね。

私と息子は、月曜日にお花屋さんで息子が「パパに買いたい」お花(寄せ植え)を買い、墓前に飾って来ました。息子も夫も小さいものが好きなのですが、息子が選んだのはカランコエ。赤、ピンク、オレンジ、黄色、薄ピンクの5色です(写真の息子の前にある鉢植え)。夫も絶対に喜んでいるはず。

水をあげて、掃除をして、やることは一丁前になってきた息子です。

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先日インスタに書きましたが、一昨日の朝に下の下の階に住むおじいさんが亡くなりました。

息子が赤ちゃんの時は、毎日おじいさんと奥さんで買い物に出かける姿を見かけていました。会うたびに息子を

「かわいい、かわいい」

と言ってくれ、私が一人の時は

「息子は元気?」

といつも気にかけてくれた、優しいおじいさん。今年の1月に80歳になったと話していましたが、その頃から杖をついて歩くようになり、最近は奥さんが一人で出かける姿を見ていて 「あまり良くないのかな?」 と思ってはいたものの、息子がバカンスに入る前にすれ違って

「もうすぐバカンスだね。大きくなったなー!」

なんて話していたんです。きっと子供を見たら通常よりも元気に振舞って話しかけてくれていたんだとは思いますが、それにしても急なことで驚きました。

泣きながら話をしてくれた奥さんには、抱きしめることしかできませんでしたが

「私も同じ未亡人ですから。」

というと、どうやら知らなかったようでとても驚かれ

「こんな小さな子を抱えて!?あなたは本当に強い人だわ!」

と逆に慰められてしまいました。

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おじいさんの話、義両親にしようかと思いましたが(彼らもよくすれ違って挨拶していたので)、話したところで

「だってあの人は80歳でしょ?うちの息子なんて35歳だったのよ。80歳なんて大往生よ。」

と言われること間違いなしだから言わないことにしました・・・それを聞くと何だかモヤモヤしてしまうので。まるで80歳なら死んでも問題ない、悲しくないと言われているような気がしてしまうんですよね。

「義父はあと2年で80歳だから、その時に亡くなったら 「大往生だった」 って悲しまないでいられるの?」

「子供を妊娠中に亡くなった人だっているし、結婚できずに亡くなった人だっているし、その人たちに比べたら夫は息子が1歳すぎまで生きられたんだからいいじゃないって言われたらどう思う?死別は悲しみのコンテストじゃないのよ。どっちが上とか下とかないの。」

と言いたくなったこと1度や2度ではないです・・・性格悪いですね、私(苦笑)。悲しみを比べたがる義両親に言ってもわからないだろうし、義両親を責めるつもりもないので(視野が狭く自己中なだけ)、放置です。  

 

おじいさんの奥さんの嘆き悲しむ姿を見てあの頃の自分を思い出し、トゥサンから命日までの日数を考えると、なんだかまた心が落ち着かなくなって来た今日この頃です。

 

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