安楽死と自殺ほう助
昨日、こちらのテレビ(M6)で「死ぬ権利:フランスのタブー」という番組をやっていました。
最近、この時間はグレイズアナトミーという好きでもないドラマを英語の勉強と思って観ていたのですが、かなり飽きていたので・・・大丈夫かな、観られるかな、とドキドキしながらも、このドキュメンタリーを観ることに。
結論から言うと、やはり泣きました。そしてモヤモヤ。死にたくなくても死んでいく人がいる世の中で、これ以上生きたくないと自ら死を選ぶ人がいる、という文明が発達したからこそ行き着く悩みや葛藤があり、また死を選びたいと思う人の気持ちも少し分かる気もするので、モヤモヤ。。。
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番組の内容は「安楽死と自殺ほう助」。
ヨーロッパ内では、ベルギー、オランダ、ルクセンブルクで安楽死が認められています。安楽死とは、医師の判断によって薬物を使用するか、延命治療(措置など)をやめて死に至るもの。そのほか、スイスでは「自殺ほう助」が認められています。これは、医師が毒物を点滴に入れて用意するものの(場合によってはストローで飲むこともあるのだとか)、それを体内に入れる行為(点滴の場合は棒を腕で押す、飲み物は自分でストローを咥える)は本人がやるというもの。 肉体の病気や老化の他、事故の後遺症や精神病に苦しみ、自ら死を選ぶ人が増えてきているそうです。
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出てきた人全部ではないのですが、気になった人だけを少しご紹介。
1) 筋萎縮性側索硬化症の男性
51歳のフランス人男性。18ヶ月前には元気にサーフィンをしていたのですが、映像は安楽死の2日前。車椅子に乗って動けない男性。「苦しみたくない、子供達にはそんな姿を見せたくない」という思いから、奥さんの実家があるベルギーに移り住んで、その家の庭で家族に囲まれながら安楽死をしました。
2)末期ガンの女性
67歳のフランス人女性。20年前にガンで旦那さんを亡くし、余命数ヶ月。10年間一緒に暮らしている男性がいるのですが、死別した旦那さんの最期がひどいものでトラウマになっており、
「そんな風に死にたくない、自分で死ぬ時を決めたい、最後まですべて自分のことは自分でしたい、だからベルギーに行って安楽死を選ぶ」
という思い。終活も済ませ、あとは死を待つのみ。亡くなる1ヶ月前に男性と結婚し、結局は安楽死を選ばずに新しい旦那さんに見守られて亡くなりました。
3)長生きしすぎて死にたいおばあちゃん
105歳になるフランス人おばあちゃんは、20年くらい前に旦那さんに先立たれてから15年間一人暮らし。それから83歳の娘さんと暮らしているようです(おばあちゃんも娘さんも、とにかく見た目も中身も若くてビックリ)。でもこの数ヶ月で「死にたい、死ぬのを手伝ってくれ」というようになったとのこと。105歳ながら、2本の杖を持ちながら一人で歩くし、トイレも一人で行くそうです。それでも、
「生きている意味がない、誰の役にも立たない、体は使い果たした、とにかく消えたい(死にたい)」
と。 結果、娘さんが色々調べて探してスイスに行って自殺ほう助をしてもらうことに決めたそう。9,000ユーロかけて死に行く決断をしたのです。スイスの場合、外国人でも危篤な病気を持っていなくても、自殺ほう助を受けられるのだとか。スイスに経つ日、
「本当はここで死にたいのよ。スイスなんかに行きたくない。でもこんなにも老いて生きるのが辛いから死ぬことを選ぶの」
とおばあちゃんは言いました。娘さんと2人のお孫さんに囲まれながら、最後はずっと 「Merci」 を連呼して(他にも何か言っていたようですが私には聞き取れず)、亡くなっていきました。
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込み上げる思いがたくさんあって、書きたいのにうまくまとめられず、書いては消してを繰り返しました。。。まだ続きを書きたいのですが、ちょっと長くなったし私が疲れたので、第二部は明日以降に書きますね。
読むのはあっという間でしょうが、実はこれを書くのに2時間以上かけています(苦笑)
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