配偶者を亡くしたときの男女差

先日、日本のニュースをネットで読んでいた時に、

「妻に捧げた1778話」ベストセラーに見る「配偶者を亡くしたときの男女差」

という記事(デイリー新潮)を見つけました。

下記、要約です。

眉村卓氏が書いた「妻に捧げた1778話 (新潮新書)」を「アメトーーク!」という番組で芸人が「泣ける本」として紹介すると、そこからベストセラーになったという話。通常であれば放送直後だけ売り上げが伸びるが、この本は放送後2ヶ月たっても売れ続けており珍しいケース。「亡妻」をテーマにした本には、ベストセラーや話題書が多い。

ということでした。

ふーん、そうなんだ

と思いましたが、続きがちょっと引っかかりました。

原文抜粋
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もちろん、夫を亡くした喪失感や闘病をテーマにした作品も存在するのだが、「亡妻」に比べると少ないというもが業界での定評だという。

『確たる理由はわかりません。一つには、そもそも本来女性の方が長生きだという前提があるので、先立たれたときのショックは男性の方が大きいということもあるでしょう。また、女性は配偶者を亡くしてから元気になる方が多いけれども、男性は落ち込む人が多いとも言います。そのあたりも関係しているのかもしれません』
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こんなこと言う人、誰でしょうか。本当に浅はかな考えというか、死別を経験していないこと丸出しな男性(かどうかはわかりませんが、なんとなく)の意見だな、と。

亡き夫をテーマにした作品が、亡き妻のそれより少ないのは、物書きをする人に男性が多いからではないかな?と思います。そしてまた、その話をエンターテイメントといったら語弊があるかもしれませんが、他の人に知って欲しいという思いがあるから出版する人がいるからではないでしょうか。

もっとも意味がわからないのが、「本来女性の方が長生きだから先立たれた時のショックは男性の方が大きい」という点。

え?男性ってそう思っているの?

と驚きました。百歩譲って実際そう思っているとしても、ショックが大きい理由は「女性の方が本来長生きなのに、どうして妻は先に死んでしまったんだ!」ではないと思います。

確かに配偶者との死別では男女で比べると男性の方が立ち直りに時間がかかる人が多いのでしょう。その理由は、本能的な(男は狩りに出る、女は家と子供を守る、みたいなレベルの)ものが大きいのではないかな?と私は考えます。

これは性格にもよるでしょうが男性は「男は人に涙を見せられないし、感情は表に出せない」と考え、自分一人で消化しようとするので時間がかかるような気がします(もちろん、女性にもそういう人はいるでしょうが)。

それと、「女性は配偶者を亡くして元気になる人が多いけど・・・」のところもカチンときますね(苦笑)それって、夫婦関係が冷め切っていて退職後の二人の生活にも飽き飽きしている女性の話では?と。確かに女性の方が、会社とは関係ない社会的関係を広げようとする人が多い(趣味のサークルや友人関係など)のも「立ち直りが早い」と思われてしまう原因でしょうが、それが「配偶者を亡くして元気になる人が多い」と言い切ってしまう辺りに驚きを隠せません。

もちろん、私は「いや、男性よりも女性の方がショックが大きい!」と言いたいわけではありません。これは比べようがありませんから。でも、理由づけがあまりにもひどいな、と思ったのです。

こういう記事は賛否両論あるでしょうが(もちろん私の意見に対しても反対意見はあるはずですが)

「ふーん、分かっていないわね。新潮新書が出版している本の売り上げを上げたくて、デイリー新潮で宣伝しているだけだな」

くらいに読むのが一番でしょうね。でも、思わず記事にしてしまいました。

 

 

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