トゥサンに想う

記事をアップしようと思いながら、書いては消したり、書く暇もなく寝てしまったり、起きていても書く気になれなかったり・・・なんだかグタグタした日が続いています。

それもこれもトゥサンがあってから。11月1日、フランスはトゥサン(全聖人の日)でお休みでした。夫の兄の車に乗り、夫の両親と息子と私でお墓参りへ(伝統的には2日に御墓参りだそうですが、2日は祝日ではないためみんな1日に行きます)。今まで無縁だったこの祝日。まさか、初めてのトゥサンのお墓参りが夫のところなんて、数年前の自分では絶対に想像できないことです。

この日のためにフランスのお花屋さんやスーパーはお墓用の鉢植えをたくさん用意しています。多いのが、菊の鉢植え。日本では切り花が主流ですが、こちらは鉢植えです。

日頃放って置かれているお墓も、この日ばかりはたくさんのお花でいっぱいになっていました。もちろん、何も置かれていないところもありますが・・・。

夫のお墓はいつでもお花がいっぱいのため、もう置き場がないので今回は買わないでいいか、と思っていましたが、夫の兄がシクラメンの鉢植えを購入していました。

墓石に貼られた笑顔の夫を見ると、言葉に形容できない感情に襲われます。愛する夫の写真ですが、見るのが辛い。直視できません。同じ写真でも家で見るものとはわけが違います。普段の生活ではあまり悲観的になりませんが、お墓に行くと現実を突きつけられる、というか。夫の両親が到着早々泣き始めてしまったため、息子を連れて少しお散歩しました。

 

このお墓ですれ違う人、誰がこの小さな息子の父親が亡くなったと想像できるだろうか。

 

などと思いながら、たくさんの方のお墓の前を通りました。

夫婦揃って80代以上まで生きた人
夫に先立たれた人
妻に先立たれた人
親より先に亡くなってしまった人
事故で一家全員亡くなってしまった人たち。。。
(こちらの墓石には生まれた年と亡くなった年が書いてあるためすぐにわかります)

それぞれに歴史があって、その分だけ悲しんでいる家族もいて・・・それでもみんな生きているんですよね。

夫と同じくらいの年で亡くなった父親のお墓も見つけて(墓石の前に、愛する妻から、愛する子供から、という文字が掘られた盾があり父親だとわかりました)、仲間意識ではないのですが、これは自分一人に起こったことではない、世の中には理不尽なことだらけなんだ、と感じました。だから世界でただ一人の夫が亡くなろうとも私は生きなければならない、頑張らなければいけない、それが夫の願いでもあるんだ、と思いました。

まだまだ気分は落ち気味ですが、マイペースで日々を過ごします。

 

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