消えていく名前
今日、夫が持っていた銀行口座のうちの一つの、とある銀行へ行ってきました。
私は知らなかったのですが、夫は10年以上前にその銀行で生命保険に入っていたようです(といっても、金額は大したものではありません)。受取人が夫の父親となっており、夫の父親は私の息子に全額をあげたい、と言ったため、一緒に行ってきました。
未成年の子どもにお金を譲渡(?)する場合、親がその責任者となり、成年と認められる18歳(フランスでは18歳が成人扱い)まで口座をブロックしてくれるそうです。現在は18歳になってすぐにお金がもらえる!ということで、一気にお金を引き落として遊ぶお金に使う若者も多いのだとか(銀行員の話)。
そういうわけで、今では18歳もしくは23歳のどちらかが選べるという話でした。息子は父親からのお金を遊びに使ってしまうような子にならないだろう、そうはさせない、と夫の父親と意見が一致し、18歳までにしてもらいました。
それにしても、こういう書類関係の手続きは本当に精神的にキツいです。まず、
「私の夫が亡くなりました。」
という一言。この言葉を言うと、自分が発した言葉が外から自分の耳に入ってきて、
本当に亡くなってしまったんだ。
と実感してしまうのです。そして、その後の相手の反応。お悔やみの言葉を述べてくれる人もいれば、淡々と業務の話しかしない人、その人の性格なのか妙に明るく喋る人など様々。どの人に会っても何だか悲しくなってしまう自分がいるのですが。
また、次々と夫の名前が私の生活から消えていってしまうことも辛いです。手続きに必要な書類を探している時に、夫の直筆のメモを見つけたときも同様。何とも形容しがたい感情。それでもやらなければならないことなので、夫の家族の協力を得ながら何とかこなしています。