あの頃の思い出の本

今日(日曜)は午後から息子を夫の家族に預けて、私は

「疲れているから」

と言い訳をし1人で家に残りました。夫の一番上の兄と子供たちもいたらしいので、せっかくの機会なのに的言い方をされましたが、行きたくない時は行かない!そう決めました。

年末に組み立てた私たちの寝室用の本棚がガラガラなのを見て、

「そういえば、数年前の引越しの際に物入れ(クローゼット?)の中にダンボールに詰めて入れっぱなしだった!」

ということを思い出し、段ボール二箱分の本を出しました。夫は本が嫌いな人でしたので、すべて私の本。

息子がいるとお手伝いという名の邪魔が入るので、いない隙に終わらせようと思いました。

読まない本は、こちらに住む日本人のお友達にあげたりしていたのですが、出してみると、すっかり忘れていたような本まで出てきました。

これは、子供用のフランス語と英語の絵本。生活の中で見る単語が二か国語で書いてあります。基本は、フランス人の子供が英語を学ぶための本でしょうが、英語圏の子供がフランス語を覚えるのにも使える本です。

実は、こちらに来た当初「Merci」と「Bonjour」しかフランス語を知らなかった私(笑)職場は基本的に英語ができれば問題なかったので、本当に全然知らずにフランスに飛び込みました。

夫は英語が話せない人でしたので、共通語がない(笑)よくそれで付き合えたねって人から言われますが、夫の愛と根気がなかったら無理だったでしょうね。。。夫に英語を覚えて欲しい気持ちもありましたが、自分がフランス語を習得した方が早いし、これからの生活に必須だからと頑張って覚えました。

その時に、私が持っていたこの絵本を使って夫が単語を教えてくれたのです。これは10年近くも前の話ですが、その数年後のフランス語にも慣れて来た頃

「あの時の本、懐かしいねー。でもあれは思い出の本だし、子供が生まれたら子供にも使えるから絶対に取っておこうね。」

と夫から言われて取っておいた本。早速息子の本棚に入れておきました。

お出掛けから帰って来た息子は、本棚を見てすぐに新しい本があることに気づき(本当にびっくりするくらいそういうことに敏感です)、

「これ何の本?」

と聞いてきました。

「ママがフランスに来た頃、フランス語がわからなくて、この本を使ってパパがママにフランス語を教えてくれたんだよ。」

と教えると、「ふぅーん」と言いながら、ペラペラめくって読んでいました。

ほぼゼロからのスタートでここまでフランス語を話せるようになったのは、本当に夫のおかげです(と言っても簡単な文法・単語の使い回しや、間違いだらけですが)。

また、夫が亡くなって頼る人がいなくなってしまったのが不幸中の幸いというか、お店でも電話でも以前より臆せずに話せるようになりました。夫はこんな私を誇りに思ってくれているかな。。。褒めてくれる人がいないって、本当に寂しいですよね。

 

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