久々に人前で涙

こっちからは申し出ないのですが、夫の家族の誰かが息子と遊んでくれるという時に息子一人だけ預けて私は以前のアパートの掃除に行っています。

日曜日は、夫の兄が息子を海に連れて行ってくれるというのでお願いしました。

私は、古い掃除機や新しいカーテンを買い物用のカートに入れて朝9時過ぎに家を出発。暑い中、バスに乗ろうか?とも考えましたが、一人で歩くのも悪くはないなと思い、色々なことを考えながら歩きました。

ここを左に曲がれば到着、という所で昔のご近所さん(以前のアパート在住)のおじいさんに遭遇。あまり社交的ではない夫が唯一(少しだけ)世間話をするおじいさんでした。

イタリアはシシリア島出身の方で、夫の両親もシシリアに近い南イタリア出身のため親近感があったのだと思います。

このおじいさんは30年以上もこの(以前の)アパートに住んでいるので、色んなことをご存知です。もちろん、夫が部屋を貸したフランス人男性たちのことも・・・。

「最近全然見ないけど、元気?」

と聞かれ、色々立ち話をしていたら(こちらの人って男性でも立ち話が好きです)、やはり前住人のフランス人男性たちの話になり・・・この件に懲りて売りに出したかとも思われたようですが、もう話も誤魔化せないし(嘘をつくつもりはありませんでしたが)

「実は、夫は1年半前に亡くなったんです」

と話をしました。信じられないという顔をしたおじいさん。おじいさんの息子よりも若いのに、とショックだったようです。

フランス人男性たちが問題を起こして近所から文句の嵐が来た時、夫は抗がん剤の影響で疲れていながらも現場に行きました(確か夫の弟か兄に付き添ってもらって)。その時に、おじいさんは夫に会ったそうです。そして

「かなり疲れているように見えたんだよね。もっと前はがっしりして元気が良かったのに・・・そうか、そうだったんだね」

と言っていました。

よく夫と二人でバイクで出かける時にエレベーターで会ったり、散歩していると道端で会ったりしていたこのおじいさんと、今こうして話をしていると、ここに夫がいないことが不思議というか、

「やっぱり夫はいないんだ」

という現実を突きつけられた感じがして、話ながら涙がポロポロと流れてきました。

死別から1年を過ぎたくらいから、誰かに会って夫の話をしても涙が出ないように、出さないように我慢できるようになった!と思い込んでいましたが・・・そうでもないみたいです。特に、この時は息子がいなかったので「母親」としての自分よりも「夫の妻」としての自分に切り替わっていたのかな。。。

アパートを貸す件に関しては、おじいさんの息子さんがたまたま夫のアパートのちょうど真下のアパートを貸しているそうで、賃貸料金や不動産屋さんの情報なども教えてもらいました。また、

「何か話したいことや聞きたいことがあれば、いつでも部屋をノックしてね」

と言ってくれて、おじいさんの優しさにまた涙がこみ上げてきました。

ご近所さんや知り合いなど、社交辞令的に同じような言葉をかけてくれる人はたくさんいますが、このおじいさんと今住んでいるアパートの向かいのおばさんは、心からそう思ってくれている人だと話していて分かります(家族や友達、戦友を除いて、です)。

 

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