この1年
気づけばブログを始めて一年以上が経っていました。
「死別」というカテゴリーがあることさえわかっていなかった数年前の私。外国の地で配偶者と死別してしまった私は、同じような経験をしている人がいないものか?とネット上をさまよっていました。
もっと探せば見つかったのかもしれませんが、なかなか探し当てることができず、「だったら自分で作ってしまおう」と思い、誰かに繋がりたくて、何かを共有したくて、今の気持ちを知って欲しくて、どんな言葉でもいいから声をかけて欲しくて・・・そんな気持ちで始めたブログでした。
周りには配偶者と死別した人がいませんでした。夫の家族は、息子を亡くした親であり、兄弟を亡くした兄弟であるから、悲しみは異なります。自分の家族には心配させるだけだから泣き言も言えないし、現実での友達には話したところで理解してもらえないことが分かっていました。
始める前は、
「きっと誰にもブログを気づかれなくて、ただのつぶやきになるんだろうな」
と思っていましたが、幸いにも始めて一週間も経たないうちにメールが届きました。
誰だろう?と思って開いてみたら、テレビ東京の「世界ナゼそこに?日本人」というテレビ番組を制作している方で・・・驚きました。テレビのネタにはちょうど良かったのでしょうか(笑)
私はメディアに出ることに抵抗がありますし、夫を亡くして3ヶ月も経っていない時期で、それどころではありませんでした。お涙頂戴に盛られることもあるだろうし、そこでテレビに出る意義が見出せなかったのです(何か商売をしていれば別だったかもしれませんけど)。丁重にお断りさせていただきました。
人が不幸の最中にいるのに・・・でも向こうも次のネタを探すのに必死なんだろうな・・・
などと悶々と考えていたところ、別な国で同じく未亡人として暮らしている女性からメッセージが届きました。そこからコメントをくださる方も増えてきて、個別にメッセージをくださったり、本当に励まされました。みなさんが書いてくださる、
「一人ではないですよ」
という言葉に、どれだけ目頭が熱くなったか(いや、実際泣いていますけど)。未亡人の先輩に励まされながら、気づけば自分が先輩になっていたことにも驚きました。
私が書いているブログは、有用な情報の少ない(というかほとんど無い)、自分のための自己満ブログになってしまっていますが、それでも訪れてくださる方、コメントやメッセージをくださる方がいてくださるので続けられています。みなさん同じく辛い状況にも関わらず、必ず私と息子の心配をしてくださって本当にありがとうございます。
夫を亡くした当初は、幼子を抱えて一人フランスに置いていかれた気分でした。出口の見えないトンネルの中にいるようでした。ここで暮らし続けるのか、はたまた日本に帰るのか、色々と悩んだ時期もありましたが、結局フランスに住み続けました。もちろん、「良かったこと」「悪かったこと」どちらもあります。でも、日本に帰っていても「良かったこと」「悪かったこと」があっただろうな、と思うと、流れのままに身を任せてフランスで暮らし続けて良かったのかも?と思えます(今のところ)。
まだトンネルの出口が見えたわけではありませんし、まだまだゴールの見えないマラソンをしている気分ですが、以前よりも苦しさはありません。こういうことを書くと、人からは「やっぱり時間が解決してくれるからね。時間が必要だからね」と言われますが、時間は解決してくれません。夫を失った悲しみや苦しみは、相変わらずここにあります。ただ、1年以上走り(歩き)続けてきた(トレーニングした)から体や心が慣れただけであって、決して悲しみや苦しみが減るわけではない、というのは断言できます。
また何やらグダグダ書いてしまいましたが、何が言いたいかというと、これからもブログを細々と続けていきますので、気付いた時に見にきてください、何でもいいからコメント残していただけたらありがたいです、という厚かましいお願いをしたかっただけです。すでに2年目に入っておりますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
La vie
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