トラウマからの現在

夫の死後、異常に外に出たがる息子。4日間預けたことがトラウマとなり、とにかく室内にいたくない、いたらママ(私)がいなくなるかもしれない、他の誰かに預けられるかもしれない、それならば外に出てベビーカーに乗って降りなければいいんだ!と思っていたのかもしれません。

そんな息子と格闘しながら、待ちに待った母と弟が到着しました。息子は弟が大好きなので、初日から喜んで遊んでいました。私も息子の束縛から解放されてようやく一息・・・。もちろん息子は命よりも大事なのですが、このときの開放感は特別でした。

夫の葬儀の時、息子がどうなるか心配でしたが母と弟がいてくれたおかげで、私は息子のことを気にせず行動できました。二人がいなかったら、息子の面倒を見てくれる人がいなくて大変だったでしょう。

棺を閉める前に、息子を夫に会わせました。息子がお絵描きした紙を夫の胸ポケットに入れ、お別れの挨拶。「パパ、ずーっとネンネ」というようなことを日本語で言っていた気がします(この辺りあまり記憶がありません)。

葬儀が一段落してからも、相変わらず毎日外に出たがり、帰ろうとすると泣きわめく日々が続きました。何時間も外で過ごして、帰る時は他のことでごまかしながら家に入れるとか、外から家のベランダに行って遊んで自分から入るというのを待ってみたり。ただ、夫の両親宅へは入りたがらない、彼らには抱っこもしない、と完全に拒絶反応。

年が明けてお正月休みも終わるため頼りの弟は帰国。母は2月半ばまでこちらにいてくれる予定でした。しかし、日本の祖母(母の母)の容態が突然悪くなり、私は祖母と3年も会っていない(息子も見せていない)こともあり、母と3人で日本に帰ることに。

またもや環境が変わって息子は大丈夫だろうか?と思いましたが、日本語でみんな話が通じることが快適だったのか、日本での滞在はまったく問題ありませんでした。免許書き換えで半日いなかった時も、良い子に母とお留守番したり、「お家に帰りたい」発言もなく、こちらとしては若干拍子抜け。

この期間で私がずっと息子のそばにいたこと、私の家族が近くにいて私自身がリラックスしていたこともあってか、息子の「外に出たい、帰りたくない」という症状が無くなりました。

フランスに帰ってきてからは、仕事が始まる半月の間に夫の家族に慣れさせるため、毎日通いました(仕事中は夫の両親宅で預かってもらうため)。初めの1週間は私がずっと付きっきりで。次の週は1時間、2時間、と少し外出して「ちゃんと帰って来るよ」ということを覚えさせたり。初めは嫌がっていた息子ですが、だんだんとフランス語も頭に入ってきてコミュニケーションができるようになってきたので、最近は目の前でバイバイしても「バイバイ」と返してくれるまでに成長。

それでも、やはり母国語(現在の息子の母国語は日本語)ではない環境、甘えられる人(私や私の家族)がいないので良い子にしているため疲れるのか、フランスに戻ってきてから1ヶ月目くらいに突然感情が爆発して泣いて暴れて手がつけられなくなりました・・・。

でも時々こうやって感情を爆発してもらった方が私としても嬉しい(といったら変ですかね)です。小さいなりに我慢しているわけですから。子どもは柔軟で適応性に優れていますが、息子の心のケアを怠らずに生活していこうと思います。

 

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