日本の母のこと
この前の夏、日本に8週間滞在して色々と思うことがありました(それはきっと両親も同じでしょうけど)。ずっと書こうと思いつつ、書いては書き直し、考えてはなかなか進まずにいたテーマ(苦笑)。
私の両親はまもなく70代になります。父は未だ現役で働いているのですが、色々あって今年の年末で退職ということになりました(その話はまた別途)。
母は年に1回しか会えない娘と孫のためにと、私たちが帰国すると張り切って色々やってくれます。でも、父と二人きりの暮らしに慣れた体と頭(しかも日中は一人だけですし)、突然元気いっぱいの孫とズバズバ言う娘が来て、その生活の変化だけでも大変なのに、料理や洗濯、掃除など大変過ぎるわけです。
***
夫を亡くしてすぐに帰国した際(母方の祖母が危篤で。息子は2歳直前)は、母も「娘を休ませるため」と言っていて、私もすっかりその気で甘えていました。
(ブログに書いたかは忘れましたが)その年の年末に息子(3歳前)と二人で2週間の帰国をしました。この年は行く時から帰るまで、ずーーーっと体調不良でして・・・しかも兄夫婦も私たちに会いに帰省してくれ(これが余計だった)、実家は満員御礼、大混乱で母が(みんなが寝静った夜に兄と弟と3人で飲みながら)大爆発しました。。。
「何もしない娘(私)と嫁(兄の嫁)、本当に大変なんだから!!」
と、私が具合悪くて寝ていた部屋の隣の部屋で、息子二人(弟と兄)に向かって愚痴をこぼしていた母(もちろんお酒が入って酔っ払っている)。
私は気持ち悪くてたまたま起きたら、その声が聞こえてきて泣けてきました。自分の決断とはいえ、幼い息子とフランスで暮らすことに決め、この帰国を楽しみにして頑張っていたのに。しかも夫の一周忌の直後。母の大変さなんかお構いなしで、自分が母に見放されたようなそんな気になっていたのです(具合悪い時の思考回路)。
そして、ガラリと扉を開け
「日本に帰ってくるのを楽しみにして頑張ってきたのに!そんな風に思っているなら、もう二度と帰ってこないから!!」
と泣きながら大爆発返しをしてしまいました・・・ただ、弟になだめられるのは別にいいのに、兄に言われるのは頭にきて
「あんたの嫁こそ、子供もいない、旦那も死んでいないのに、何もしないで何しに来てんだよ!」
(言葉が悪い。育ちがバレる)
と、酔っ払ってもいないのに(もちろん具合が悪かったので一滴も飲んでいない)喧嘩腰。そして母も泣きながら
「いろいろとやってあげたいのに、体が思うよに動かないのよ!」
と言い出したので、私も悪かったと思いその場は落ち着いて、みんな寝ることにしました。
***
この時の帰国は本当に最悪で、夫の一周忌の後に気分転換を求めて日本に帰らなければ良かったな・・・と後から反省しきりでした。そして母が言っていたことは事実で、やはり年々できることは少しずつ減ってきているわけで。そんな母のことよりも、母の子供としての自分しか考えていない自己中だったな、と。
ただ、この経験があったおかげで「私の頭の中の母」と「現実の母」にズレがあることがわかって、起こるべくして起こったことなんだろうと思うようになりました。私の中の母は、親元から離れた50代前半くらいで止まっていたので(苦笑)そして実際近くにいる弟から「母親取説(取扱説明書)」を享受してもらい、年々母との接し方のコツを掴んできていると思っています(それでも弟をドキドキさせるような発言しちゃうみたいですけど)。
・時々母が一人の時間を作る
・あまりズバズバ言わない
・理解力が衰えてきているので考慮する
その他にも細々ありますが。
今年はコロナの影響もあって前半は弟宅に滞在して、その後実家。また弟宅に戻って・・・と母の体調を考えながら程よい距離を保てた気がします。また、息子も大きくなって手がかからなくなってきたので、その点もかなり楽になりました。その分、実家の掃除をしようと母が普段の掃除機で掃除する以外の部分(目に見えにくい部分など埃や汚れが溜まっていたので)を掃除することに。
***
ところが・・・少しでも母の負担を軽減したいという思いでやっていたのに
「人の家にいると暇だから、余計なところに目がいったり気になったりするよね。おばあちゃん(母の母)も昔おばちゃん(母の姉)のところに出産の手伝いに行った時、掃除してたわー。自分の家は汚いのに。」
と言われてしまいました(!!!)そう捉えられてしまったか、と。前の私だったら言い返していたこと間違いなしですけど(苦笑)、まあ、いいんです。なので、母が見ていない隙に掃除しておくことにしました。
帰国時に行く美容室のアシスタントの女性と話をしていたのですが(年代が一緒)、彼女のお母さんも似たような感じらしく、70歳前あるあるなのかなーって。もう少し歳をとったら体力の衰えとか認めざるを得なくなって、もうちょっと丸くなるのかな?なんて話していました。
あとは、孫が少し予想外の言動をすると
「うちにはこんな子いなかった。あっちの血ね!」
って言うって言ったら
「うちもうちもー!!」
と(笑)。うちの母だけじゃないんだなって思ったら、なんだか気持ち的にかなり楽になりました。
***
母の腫瘍は幸い良性だったので、ガンの治療が・・・などの心配は今のところありませんが、これから何が怒るか分からないですし、せっかくの年に一回の帰国なので、お互いストレスフリーで過ごせるように努力していきたいなと思っています。
下のボタンをクリックしていただけると ブログ更新のモチベーションが上がります。