フランスの死別事情

私はフランスに住んでいますが日本人なので、こちらでグリーフケアを受けようと思ったことすらありませんでした。フランス語で話しても思ったことを100%言い切れないし、まずもってメンタル面がフランス人と日本人では異なるので分かり合えることも違うかなーって。このブログが私のグリーフケアという感じです。

でも、最近「フランス人の死別者たちは一体どうなんだろうか?」とふと気になったので調べてみました。

 

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6年前の統計ですが、当時はフランス国内に3,200万人がカップルで暮らしていて、そのうち2,320万人が結婚、140万人がPACS(連隊市民協約という性別関係なく共同生活ができる契約。同棲以上結婚未満みたいな感じ)、740万人が自由な関係(同棲を含む、何も契約していない関係)でした。

そのうちの500万人が死別者。その中の400万人が既婚者。残りの100万人がPACSや同棲していた関係。性別で分けると、80%が女性で20%が男性(残された方がです)。

そして50万人が55歳以下で配偶者を失って、その平均年齢は41歳とのこと。配偶者の死因は様々で、事故や突然死、病死などなど。

 

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若くして配偶者を亡くした人は、それまで思い描いていた2人の未来を叶えられなくなり、喪失感に襲われ、時には自分の殻に閉じこもります。人によっては数ヶ月、または数年、人生を再構築するまでに時間がかかることも。

というようなことが書いてあって、やはりフランス人は誰かとやり直すこと前提なんだなって思いました。別にそれが良いとか悪いとかではなく・・・むしろ誰にも迷惑をかけないのであれば、その方が良いのでは?と最近は思えてきました(自分が誰か探したいという意味ではなく)。もちろん、フランス人でもそういう考えではなくて「一人で生きていく」と思っている人も少なからずいるとは思いますけどね(実際、下記のドキュメンタリーの中に出てくる女性は、一人の方が楽って言っていました)。

色々と調べていたら、死別で残された人に焦点を当てたドキュメンタリーも作られていました(2014年)。

 

SEULS, DU JOUR AU LENDEMAIN

 

全部フランス語なんですけど・・・興味ある方はどうぞ(たぶん日本からでもリンク先は見られるはず)。

死別した4人(男性二人、女性二人)をそれぞれインタビューしていて繋いであります。このドキュメンタリーの一番初めに出てくる風景が、夫のお墓に行くところそっくりで「まさか」と思っていたら、同じ墓地でした!!びっくり(苦笑)。でも、これが公開されたのが2014年で撮影は2013年だろうから、その時は息子も妊娠すらしていなかったし、夫が病気になるだなんて微塵も考えていなかったな・・・なんて思うと複雑でした(涙)

 

あとは、フランスにももちろんグリーフケアをしているアソシエーションがあります。よく出て来たのはこちらでした。

https://www.dialogueetsolidarite.asso.fr

フランス国内15箇所で相談可能。ちなみに私が住んでいる地域はありません(他のアソシエーションならある)。電話相談も可能だそう。まずは少人数、そしてグループで話す形式みたいです。参加した女性は

「同じ経験をした人と話すことはとてもいい経験だった。同じ死別でも状況が違えば分かり合えないこともあるけれど、話すこと、聞くこと、共有することは大事。たまたまほぼ同じ境遇の人とも会えて、彼女とはたくさん話をした。身近な人に話せないことも、ここでは話せる」

というようなことを語っていました。私もブログを通して色々な方に出会い、メッセージやコメントのやりとりをして、本当にその通りだなって思っています。

 

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飛ばし飛ばしでしか見ていないですが、ドキュメンタリーの中に出てくる人は(夫と同じお墓にお参りに行っていた男性)、

 

「この物語(亡くなった奥さんとの歴史)には、もう続きを書くことができないから・・・」

 

と、部屋の模様替えをしたり、新しい人を見つけて仲睦まじく手を繋いで歩いていて・・・何だろう、確かにそれはそうかもしれないけど(実際私も少し模様替えしたし)・・・この言葉、私にはイマイチしっくりきませんでした(苦笑)彼の場合、一人息子も成人しているようだし、やはり自分の人生を楽しく生きようって思ったのでしょうかね。

 

もう一人の女性(確か子供がいない)も、ドキュメンタリー撮影の後に新しい人を見つけて彼の家に移り住んでレストランを開いたとか何とか。

 

フランス人はいくつになっても男や女を意識することを忘れない人が多いです。だから、たとえ死別を経験しても新しい誰かに出会って、それが生きる糧となるならばそれでいいんだなーって私は思います。亡くなった人に対する罪悪感も無いことは無いでしょうけど、亡くなった人とは物語の続きが書けませんからね・・・。

 

私は夫に対しての忠誠心から頑なに「新しい人なんて考えられない!」と思っているわけではなく(もちろん夫以上の人は現れないしって思っている部分もありますし)、今の現状で自分の人生どうこう考えられない、息子のことで手一杯なのに自分の女性としての部分とか本当考える暇すらないっていうのが正直なところです。一時期、息子が「新しいパパが欲しい」と言い出した時は、「えー、無理!」って思いましたけど、今は何も言わなくなったのでホッとしています。。。息子が巣立って誰かが欲しくなってからじゃ遅いんだよっていう意見もあるかもしれませんが、その時はその時で。

 

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