夫の病気について
以前も書きましたが、夫はガンでした。ガンの中でも若い人にはレア(?)な舌癌。若い人にはあまり出ないといっても、日本のブログを探していると若い女性でも男性でも舌癌になった人が何人かいらっしゃいました。ブログをやっていない人も含めると、想像よりも多いのかなと思います。
舌癌になってから、色々な情報を見てみると早期発見することで生存率(5年生存率)がかなり高いことがわかりました。ステージ4でも50パーセントを少し切るくらい。2人に1人が生きられると単純に考えた私は、夫なら大丈夫!と思ったことを今でも覚えています。
ちなみに舌癌は喫煙者やアルコールを取る人がなりやすいイメージかもしれませんが、夫はタバコもお酒も飲みませんでした。
フランスは、ガンなどの病気の治療は基本的に無料。治療だけではなく、入院費もすべて無料。救急車代だけは別だったかな?記憶が曖昧ですが。
無料はありがたい分、治療の選択肢はありません。医師に「こうします」と言われれば、「分かりました」というのみ。夫が通っていた病院は、この地域で一番の専門病院だったため、セカンドオピニオンも考えられないくらいでした。
無料な人が多すぎて財政面があまり良くないのか、人材不足感は否めません。働いている人も好きで楽しくやっている人は稀で、やる気なく15分以上も外でタバコを吸っている人がいたり(病室の窓から見えるのです)、ナースコールを押しても部屋にすぐ来てくれません。それが原因で亡くなる人もいるんじゃないか?と思ったほど。
夫が亡くなった時、
「夫はフランスで治療したから亡くなったのかもしれない。日本で治療を受けたら助かっていたかもしれない。看護師たちの態度も冷たく、ガン患者の夫が看護師に気を使っていたなんておかしい。」
と思っていました。
でも、夫が亡くなって1ヶ月後に以前のブログで知り合った方(日本在住)の旦那様も同じように舌癌で亡くなったことを知ったり、舌癌闘病ブログをされている方の更新が途絶えていたり、亡くなったという記事が載せられていたりするのを見ると、フランスだからとか関係ないのかな・・・と思えるようになりました。
フランスの医療制度のせいで!とか、何かのせいにして納得しようとすることは簡単です。ただ、そうではないとわかった時に
「じゃあ、どうしてあの人は助かったのに夫は亡くなったのか?」
という気持ちを消化することが難しかったです。助かった人への嫉妬ではまったくなくて、疑問。これは病気だけではなく、例えばテロや事故でも同じことが言えるかと思います。津波に飲み込まれて亡くなった人と亡くならなかった人。同じ状況なのに、その境目は一体どこにあるんだろう?と。そういう運命だった、という言葉は便利ですが、残された者としてはしっくりこないんですよね。。。
別に今でも「どうして夫が?」とモヤモヤしているというわけではないです。夫の闘病中に読んでいたブログの方が現在治っていたり、亡くなったりしているのを知って、そういえば・・・と思っただけですので。
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