死別後6年経ってからの断捨離

1ヶ月前は弟が日本からニースに来て一緒に過ごしていましたが、あっという間のようなずっと昔のことのような・・・。

さて、前回思わせぶりに書いてしまった断捨離の話を少し。

以前のブログからご覧くださっている方は、生前の夫が筋トレマニアだったことはご存知だと思いますが、その筋トレマニア夫が残したものが筋トレ道具一式。サロン(リビング)にドドンと居座っていたのです。

部屋の角に置いていたとはいえ、このようなものが場所を取っていたのです(バーは写真撮影のために載せただけで、通常は部屋の逆角の隅っこに床置きしていました)。

これ以外にも190cm、10kgほどあるウェイト用のバーとウェイトが10kg、5kgと2枚ずつ。写真では見えにくいですが、ベンチの後ろに1キロ4枚、2キロ4枚もありました。。。

なぜこれを売らずに取っておいたかというと、死別してすぐに義家族(特に義両親)から

「あれは売ってはいけない。息子が一番大事にしていたものだから(一番大事なものは私と私たちの息子なはず!!)。孫が使うようになるまで取っておきなさい」

と言われていました。

孫(息子)が使えるようになるまでって、死別した時に2歳にもなっていなかったから単純に考えても15年くらい放置しておけということですよね。でも、場所も取るのに判断力が無かった私は言われるがままにそのままに。。。

ホコリは溜まるし場所は取るしで、使えることといえば物干し竿代わりくらい(笑)。

さすがに邪魔になってきたので、6年経ってから意を決して義両親や義兄弟に聞いてみると

「あなたの好きにしたらいい」

とあっさりした回答・・・今まで律儀に待って(掃除して)いた私のバカ!!息子が何度も提案してきたように、さっさと売っていれば良かったです。

 

***

 

そんなわけで、綺麗に掃除をして写真を撮ってインターネットの個人売買サイト(leboncoinという個人間で取引できるサイト)に格安で載せました。というのも、そのサイトに高値で売っていつまでも売れていないものを何件も見ていたし、私に取っては取りに来てもらえるだけで万々歳だったため、格安で良かったのです。

息子には

「自分の旦那さんの思い出のものを、そんなに安く売っていいの?」

と言われましたが(爆)、100ユーロ超えているし(もちろん全部を新品で揃えようとしたら4倍くらいはかかるでしょうけど、10年以上前のものですし)、そのお金は息子にあげるからということで交渉成立(?)。

載せて1時間も経たないうちに、定時価格より(少しだけ)高い値段で買うから!と申し出てきた人がいました。その人以外にもいたのですが、少しでも高く売れればそれに越したことはないので・・・。

しかもちょうど日曜だったこともあり、とんとん拍子に話が進んでその日の午後には引き取りに来てくれました。

ただ、実物の大きさを計算できなかった買取主。私が持っているくらいの小さな車でやってきて(本人は190センチくらいある大きな人でしたけど)、結局2往復していました。

部屋がすっきりした上にお金になって(約束通り全額息子へあげました)、私としては本当に気分が良くなりました。売ったあとも息子に「後悔してないの?」と聞かれましたが、こんなこと言ったら薄情と思われるかもしれませんが「全然」そんなことはありませんでした。

「6年も置いておいたし、思い出は心の中にあるから大丈夫!!」

結局、私がこの数年間ずっと心の中に引っかかっていたのは、義家族の言葉ではなく生前夫が残した言葉だったのかもしれない、と今これを書きながら思いました。

実は、病気になってからもまだ普通に話せて家で一緒に暮らしていた頃の夫が、ある朝起きてきて

「今日、自分が死んだ夢を見た。その夢の中では、君は僕の筋トレ道具を物干しがわりにして、挙句すべてを売って息子と一緒に日本に帰ってしまったんだ」

と。

物干しがわりにした挙句に売ったのは夫の夢どおりになりましたが(苦笑)、それを正夢にしないようにと売ることは夫の意に反すると心のどこかで思っていて、義家族からの言葉のせいにしてここに置いておいたのかもしれません(もちろん物干しがわりにはしたけど)。

日本で言うところの七回忌もすぎたし、ということは微塵も考えていませんでしたが、気持ち的に色々整理できるのはその頃というのが昔の人々の経験から計算された年数だったのかもしれないですね。

 

***

 

死別された方の話を聞くと、結構すぐに断捨離をされたという方が多いのですが、私はここに来るまで6年もかかりました・・・まあ、人それぞれですからね。これが死別後すぐに引っ越しをしなければいけないという状況であれば、私もすぐにしたでしょうけど。

まあ、いいか。まだいいか。

と思っている間に6年経ったわけです。6年も経ったから思いがないわけではないけれど、その間に気持ちの整理も少しはできた気がします。

でも、夫の服は衣装ケースに入れたまま、まだクローゼットの中に放置しています。これもいつかやらなければ・・・。

 

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