双子の神秘から死別を考える
先日、こちらのテレビ(フランスの番組)で「双子の神秘」なるものがやっていました。
たまたま一人で観られる時間があったので観ていたら、
「(一卵性双生児の)双子というものは、もう一人の性格が違う自分であり、二人で一つという意識が働くためなかなか離れられない」
というようなことを言っていました。
何組もの一卵性双生児の双子の兄弟姉妹(幼児から老人まで)にインタビューしていましたが、みんな同じように
「もう一人がいなければ生きていけない、離れられない存在。」
と言っていました。
私は双子ではないのでその感覚は分かりませんが、確かに知っている双子って性格が異なるな、と。片方が積極的に喋る子(前に出るタイプ)、もう片方が恥ずかしがり屋(一歩下がるタイプ)、など。
結婚を取るよりも、二人で生きていた方が楽、と生涯独身の人も多いのだとか。実際インタビューしたうちの何組かは独身でした。
ティーネイジャーの女の子たちは、
「二人で同じ男の子を好きになって、向こうも私たちを好きになったら、私たちのどちらかが傷つくのは嫌だから男の子よりも姉妹を取る」
と言っていました。
ただ、こうして上手く(?)いく双子もいますが、中には
「双子の兄弟(姉妹)に人生を決められたくない。呼吸ができなかった」
と、それぞれ別の道を歩む人たち(インタビューでは一人だけ登場)もいるようです。
これをフランス語でdominant-dominéと言い、支配する側と支配される側という意味になります。
仲良く生きている双子でも、やはりどちらかが「決断」をして、もう片方が「その決断について行く」方になることも多いようで、人生の中で少し離れる決断をして、それぞれがそれぞれの人生を歩むことを決めている人も多かったです。
50代くらいの女性の双子へのインタビューでは、
「結婚してから、双子の旦那さんが私に対してすごくヤキモチを妬いていたのよ。私たちの関係に嫉妬してね。」
と言っており、そのあと
「お互いそれぞれ違う人と結婚しているけれど、旦那が死ぬよりも妹(か姉)に死なれる方が辛くて悲しくて考えたくない」
と言っていました。
双子の兄弟姉妹たちは、インタビューの中で口々に
「双子の人生の中で一番最悪なことは、どちらかが先に亡くなってしまうこと。それはまるで自分を半分に引き裂かれるような思いで考えたくもない。できれば二人同時に消えたい。」
と言っていました。
また、実際に生き別れてしまった双子の男性にもインタビューをしており、
「埋葬の時は、まるで自分が埋められるような気持ちになり、もう一人の自分を亡くして後追いしたい気分だった。その後、鬱の治療をして生きていかなければならないと思っているけれども、胸の中には大きな玉がつかえているような感覚。」
と悲しんでいました。
私も双子だったら、これほど夫の死を悲しまなかったのかな・・・。双子って確かに不思議な存在ですが、そんなドキュメンタリーを観ながら何だかよくわからない複雑な気持ちになってしまいました。
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