子どもは二人
結婚してから、というかする前から「子どもは二人欲しいな」と夫は話していました。順番はどうでもいいので、やはり男の子一人と女の子一人が欲しい、と。
結婚後すぐにでも子どもが欲しかったのですが、事情により結婚4年目にしてようやく息子が生まれました。待望の子どもを迎えて喜んだのもつかの間、夫のガンが発覚。本当に人生とは皮肉なものです。
「一人だけでも元気に生まれて来てくれたんだからそれでいい」
そう言いながら息子を可愛がっていました。それでもやはり、二人目の女の子が欲しかったのでしょう。時々、
「女の子だったら君に似てる子がいい」
と言っていました。息子は「忘れ形見」の言葉の通り、夫にそっくりなのです。顔はどちらにも似ていないのですが、性格が。だから女の子だったら私に似て欲しいと思ったのでしょう。
こんなに短い闘病生活だとは思っていなかったので、もしも少し容体が良くなってきたら二人目を考えてもいいかな?と思う心も密かに私の中でありました。夫の生きがいになるかもしれない、と。
しかし、夫の体調がどうなるかわからない上、息子のように風邪もひかない健康体で生まれてくるとは限りません。もしかしたら妊娠中に夫が亡くなることだってあるかもしれないし、流産や死産をしてしまう可能性も、また障害を持って生まれてくることも考えると、私にはその一歩(夫への提案)が踏み出せませんでした。おそらく夫もだったと思います。思ってはいても、何かあった時に残してしまう私の苦労を考えていたに違いありません。
時々思うのです。やはり、夫は私と付き合って結婚したからガンになってしまったのではないかって。外国人で夫にぶら下がって甘えていたから、それがストレスになって夫の体を蝕んでしまったのかも・・・もう少し私が自立していたら、未来は変わっていたかもしれない。
いつものごとく、そう思っても夫が帰ってこないことはわかっています。そんなことを思ってクヨクヨ泣いていたって、夫が触れられない手で一生懸命私の頭をなでようとしていたり、抱きしめてくれようとして、でも私にはわからなくて、そうやって夫を困らせてるのかなーなんて思うとまた涙が溢れてくる、という悪循環。。。
夫は亡くなってしまったけれど、私の未来は変えられる。もっと強くなって、息子を立派に育てて、夫に頑張っている姿を見てもらおう!そう思っています。