後悔先に立たず
こんなことをブログに書くのもどうかと思いましたが、吐き出す場所が他にないので書かせていただきます。
私は夫のことを本当に本当に愛しています。私は強がりというか、実際に強い人間でほとんど人に甘えるようなことはしませんが、夫は別でした。夫の前では強がらなくていい、甘えていいんだ、と思える存在で、こうなれたのも夫のおかげでした。
夫がガンになる遥か昔に、彼が先にいなくなってしまったらどうしたらいいんだ・・・と想像して涙したことがあるくらい夫が大好きなのです。
その時に思ったのは、どちらかが出かける時や出勤の時、たとえその前に多少の言い争いがあっても、絶対に笑顔で「いってらっしゃい」や「いってきます」を(もちろん「愛している」も)言おう、ということでした。離れている間にもしも何かあった場合、不機嫌なままで別れたことは後に残される方に嫌な思いを一生残してしまうと思ったからです。
健康な時はそう思っていたはずなのに、夫がガンに侵され始めてから、この大切な想いがどこかへ行ってしまいました。ずっと痛みに耐えている夫のために、できるだけ騒音を立てないようにしよう、息子を泣かせないようにしよう、ご飯は決まった時間に出すように、部屋は息子のおもちゃで散らかさないように・・・などなど、なるべく不快感を与えないように頑張っていたのですが、頑張れば頑張るほど夫の気に障ったり、歯車が狂ってきたのです。息子と私が部屋で遊んで笑っている声さえにも苛立ち始めた時には、もうどうしたらいいのか泣きたくなりました。
夫が入院してくれていた方が楽だな・・・
など、夫の気持ちにまったく寄り添えていなかった私。夫にとっては、息子のことばかりで自分のことを全然気にしてくれない!と思っていたに違いありません。もう少し私のキャパシティが広ければ夫のことももっと考えてあげられたのでしょうが、息子の世話や家事、そして仕事に追われてまったく余裕がなかったことを今でも後悔しています。
息子がようやく寝てくれた!と思っても、その後には夕飯の片付けや自分のシャワーの時間、そして在宅の仕事をしなければなりませんでした。その間に夫は寝てしまうし、ほとんど二人きりの時間を持てなかったのも後悔。5分でも10分でもいいから、昔のようにソファーに二人で座って、何も喋らなくとも寄り添っていれば良かったな、と。
闘病中に私が「できるだけ後悔しないように」と思っていたのは、夫のガンに対してであって(何かがガンにいいと聞けば、それを試してほしいと言ってみたり)、夫の心に対してではなかったことが悔やまれます。夫が不満に思っていたのも仕方ないな、と思えるほど。
こんなことを悔やんで今更泣いたって夫は戻ってこないですし、自分の気が滅入るだけで何にもならないことはわかっています。でも、そうして少しずつ自分の中で消化して泣いて吐き出して、明日は今日よりもちょっと上を向いて生きていきたいな、と思うのです。
*ブログ村のカテゴリーを変えてみました。