ありがたいな 

年に一度は血液検査をするようにしているのですが、最近すっかり忘れていたし、胃が痛いのもあって先日かかりつけ医のところで処方箋(?)に書いてもらいました。

血液検査はいつも空腹時にしているので、朝は食べないようにと思いつつも、朝の忙しさで忘れてついつい息子の残りを食べてしまったりでタイミングを逃していました。

そしてようやく今朝行って来ました。

フランスではお医者さんのところではやってもらえず、ラボ(ラボラトワール。発音的にはこのカタカナではないんですが・・・フランス語はLaboratoire)に行かなければなりません。分業で面倒ですが。

近所にあるラボへ行くと、受付の人が私のことを覚えていてくれて

「久しぶりね!子供、何歳になった?」

と話しかけてくれました。

「来月で4歳になるんですよ。」

と教えたら、

「わー、それじゃあすっかり男の子だわね。」

と言われたので写真を見せたら、ますます驚いていました。

採血は、何度も当たったことのあるベテランなマダムで、

「あなたよね?赤ちゃん連れてよく来ていた人。もう大きくなったでしょう。」

と、彼女も私たちのことを覚えていてくれました。

息子を抱っこ紐で抱っこしながら、夫の血液検査で一緒に何度も通っていましたし、結果の受け取りやら支払いを代わりにしていたので(特にここら辺ではあまりみかけない東洋人ですし)、受付の人も採血の人も覚えていてくれたのだと思います。

「精神的には大丈夫?」

とベテランマダムに聞かれて、思わず

「まあ・・・まあ、仕事も失っちゃいましたけど、大丈夫です。」

と詰まって答えると(笑)、

「えー!人生、いい時もあれば悪い時もあるからね。ところで、近くにあなたの家族はいないの?」

と聞かれ、

「私の家族はいませんが、義理の家族はいます」

と答えました。

マダムは

「義理の家族は、所詮義理よ。どんなに親切でいい人でも、あなたの家族にはならないから。友達だってそう。まあ、友達は選べるけれど家族は選べないからね。血の繋がった家族だってどうなるかはわからない話だし。

私の母、ボケちゃったのよ。それなのに姉(か妹)が“大丈夫だから”って自分で面倒みるって言い始めて。結局あの人は母のお金が欲しかっただけなの。ひどい話でしょ?母の体よりもお金よ。だからもう縁を切って、家族はいないって思っているの。」

と話してくれました。でも、話に夢中過ぎて腕に巻いたゴム紐を取り忘れてうっ血しそうになった私の腕(笑)

「あはは、痛かったわよね!指を動かして。

まあ、結局何が大事かって、あなた自身とあなたの息子よ。でも息子もいつかは巣立つんだから、あなたが一番幸せでいられる状況を作らなきゃ。母親が幸せなら子供も幸せにいられるのは分かるでしょ。

失業保険をもらいながら、息子との時間を大事にするっていいことじゃないの。人生楽しまないと。もちろん、楽しいばかりの人生じゃないけど。

とにかく今日は楽しい1日にしてね!」

と、とにかくベラベラ語ってくれたマダムでした。

あのマダムも色々あったんだな、と思いながらも、ラボを後にした私は少し温かい気持ちに。夫が残してくれたものは、こういうところにもあるんだな、って。そう思うと本当にありがたい気持ちになりました。

検査結果は息子を連れて行ってみようかな。

 

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