日頃の不満を暴力で解消する
日本でも報道されているフランスの黄色いベスト運動でもお分かりの通り、フランスには自分たちの日頃の鬱憤やストレスなどを、他の出来事に便乗して暴力で解消しようとする人たちがいます。
日本にもいるとしても、その数はもっともっと多いと感じます。
先週の火曜日、息子を幼稚園に迎えにいった帰りのこと。トラム(路面電車)に乗っていると、ある駅で止まったところで車のクラクションがたくさん聞こえました。
フランスでは結婚式があると参加する人たちの車がクラクションを鳴らしながら列をなして移動するのですが、その音か?と思うほど。でも、この日は平日の夕方。結婚式な訳がありません。
ちょっと外をのぞいてみると、車道(一車線一方通行)の真ん中に男性(ガタイがいい)が立っていて動かないのです。トラムの駅にいた中学生くらいの子供達が、その男性をバカにするような言葉をなげかけたり、「どけろ!」と叫んだりしていました。
一番前にいた車は、50代くらいの女性二人。苦笑いでクラクションを鳴らすだけ。
男性は酔っ払っている感じがしました。もしくはドラッグ?どちらかはわかりませんが、とにかく正気ではない感じ。
すると突然、並んだ車の後方からあまり柄の良くない、でも小柄な男性が走り寄ってきて、すでに相当ご立腹の様子。交渉しようとかそんなの無しに罵ります。道を塞いでいる男性はすぐに身構えましたが、小柄な男性は拳の中に鍵の忍ばせて男性の額を一発殴りました。
もちろん、すぐに道を塞いだ男性の頭は腫れ上がります。すると歩道にいた東南アジア系か島系(レユニオンとかそういうフランス領の島という意味)の男性が出てきて、小柄な男性に落ち着くように、自分が道を塞いだ男性を歩道によけるから、と殴られた男性を守るように出てきました。
この男性が出てきて、額の腫れ上がった男性を歩道に連れ出してくれたと同時にトラムが動き出したので、その後のことはわかりません(トラムの運転手もこの一連の流れを見ていたのか?と思ったくらいのタイミング)。
たまたま、私と息子が立っていた入り口のすぐ目の前で繰り広げられたことだったので、息子は
「どうしてあのおじさん立ってるの?どうして違うおじさんがパンチしたの?なんで怒ってるの??」
と私に質問。こういうのって答えに困りますよね。。。
「ママもよくわからないけれど、もしかしたら立っていたおじさんはお酒を飲みすぎて酔っ払って、自分が何をしているのか分からなかったのかもね。パンチしたおじさんは、早くお家に帰りたかったのに、おじさんが立っていたせいで車が動けなかったから怒ってパンチしちゃったのかもね。立っていたおじさんも悪いけれど、暴力はいけないよね。」
と答えました。
確かに元はと言えば立っていた人が悪いわけですが、何もそれを暴力で片付けようとしなくても・・・と農耕民族は思ってしまいます。しかも、車が止まっていたのは3分もないはず。
出てきた瞬間からすごい剣幕だった小柄の男性。きっと自分の生活の何かがうまくいっていなくてイライラしている人なんだと思います。この男性はパンチを食らわせて「やってやった!」と、気分スッキリ、意気揚々としているかもしれないです。そんなの思い込みだって思われるかもしれませんが、フランスにはそういう人が本当に多いなって住みながら感じるのです。
変な事件に巻き込まれないようにしたいな、とつくづく思います。
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