あえて哀しみに向き合う
先日、夫との思い出の場所へ行った後に気分が落ち込んだ話を書きましたが、その後色々と考えて再度行ってみることにしました。
このまま思い出の場所にしばらく行かないで逃避することもできたのですが、あえて向き合うことに決めたのです。哀しみに向き合わないことは、結局先延ばしにしているだけで前向きではないし、夫がどこよりも好きだったあの場所に息子と行けば、きっと夫も喜んでくれるだろうと考えました。
9月になれば息子の学校が始まりますし、仕事や夫の家族の休みの日の関係上、なかなか泊まりがけで行く機会がなくなります。これが今年の夏最後のチャンスと思って夫の家族に呼びかけてみました。
夫の弟の運転で、夫の両親と私たちの5人で1泊で行くことに。
着いてみると、やはり
「夫はもうここにはいない」
という気持ちが強くなり、生きていたころの夫の姿を思い出してしまうのですが、それでも前々回よりも前回、前回よりも今回、と鼻の奥がツンとする回数が減って、ここに夫がいないという現実受け止められるようになってきた気がします。
帰宅してからも、前回は夜になると夫を思い出して涙していましたが、今回はそこまでひどくありません。別に哀しみが癒えたわけではありませんが、抗体ができたのかな・・・と思います。
夫の死後に日本の祖母の容態が良くないということで一時帰国したのですが、その後フランスに戻ってきた時の感覚に似ています。初めは夫と住んでいた場所に戻り、生活していくこと自体が夫を思い出して辛かったのですが、数ヶ月後には目に涙を浮かべずに生活ができるくらいに。嫌だったテレビも自然と観られるようになりました(それでも観ているというより流しているだけですが)。
残された者は、みんなこうして生きていく、生きていかなければならないんだな、と改めて思っています。