夫と息子とパズル
息子はパズルが好きで、生前の夫の前でもよく遊んでいました。自分の部屋で作ったパズルは、夫に見せるために
パパー!
と呼んだり、台のあるパズルは自分で夫のところまで持っていって見せたり。
小さい体で一生懸命パズルを持っていく息子。痛みで辛いながらも息子のために大げさに褒める夫。私はいつも一緒にいて褒めるのが当たり前と思われているのか、とにかく息子はパパに褒めてもらうのが嬉しかったのです。
しかし、夫と別居状態(一時的に夫の実家暮らし)になってから息子はあまりパズルをしなくなりました。最初の頃はパズルが終わって
パパー!
と習慣で呼んでしまって、自分で
いないねー。
と言ったり、夫がいたソファーのところまでパズルを持っていったりしていたのですが、そのうち褒めてくれる人がいないせいか(私は毎回褒めていますが)やらなくなってしまったのです。
私もすっかりその存在を忘れていたのですが、突然1週間前くらいから思い出したようでパズルを再開。作り終わってすぐに、
パパに見せたねー。
と笑顔で言ったのです。驚きと嬉しさで泣きそうになりました。その数日後、パズルが終わった時に
パパに見せよっか!
と言って、夫が寝ていたソファーのクッションのところにパズルを乗せました。その姿が愛おしくてたまらなく、また涙が出そうになってしまいました。
これは私のエゴかもしれませんが、こうやって息子が少しでも夫のことを覚えていてくれれば・・・と思います。