あの時こうしていたら・・・
「あの時こうしていれば今頃生きていたかもしれない。」
大切な人と死別なされた方々は、誰しも考えたことのある言葉ではないでしょうか。亡くなってから思っても仕方のないことですが、どうしても考えてしまいます。
私の場合、治療の選択というのは夫がすべて行ってきたものですので関わりようも無く、今でもどうしようもなかったと思えるのですが(ただもう少し早い段階で治験に参加していればとか、治験のために休薬した一ヶ月が命取りになったとは思いますが)、夫のガン細胞を増やしてしまったのは自分ではないかと思ってしまうのです。
責任感が強く完璧主義者の夫は、外国人で右も左も良く分からない私と付き合って結婚してくれました。これがもしフランス人女性だったら夫はもっと自分のことだけを考えられただろうし、夫のこともその女性が色々とやってくれたかも、と思うのです。外国人なだけにほとんどすべてのことを仕事の合間に夫がやってくれていたので、少なからずストレスを与えていたに違いありません。
また、子どもができる前のことですが、夫は勤めていた職場がかなりストレスフルで転職したいと話していました。それを私が止めてしまったのです。残業もなく安定している職場だし、これから子どもも生まれるのに、という理由で。これがもし転職していて夫の性格に合っていたものだったら、ガンは発症しなかったのかもしれない、とどうしても考えてしまいます。
もちろん、フランス人女性と結婚したら別な意味でのストレスを抱えるでしょうし、職場を変えても同じような環境だったかもしれません。「たられば」ばかり考えていても何も良いことは起こらないですし、むしろ気分が落ちてしまうのですが、死後すぐよりも今になってふと頭に浮かぶことが多い今日この頃です。
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