フランスに残るわけ

夫が闘病中は「もしものことがあったら・・・」と考えたことがありました。フランスに残るか、はたまた日本へ帰国するか。恐らく外国に住み結婚して専業主婦をしている人の多くは死別したら日本に帰るかと思います。私は仕事があるのでこの国に残ることを考えました。

それよりも一番心に引っかかっていたのが、生前夫が夢で自分が死んでしまい、その後に私と息子が日本へ帰ってしまって寂しく思った、と言ってきたこと。やはり夫が心安らかに眠れるためにもフランスに残るべきなのかなって思っていました。

また、死別直後はすぐにフランスに残るだとか日本へ帰るだとか、そういうことを考える思考能力もなく、法的手続きなどに追われてそのままいる形になった、という部分もあります。

 

ただ、息子と二人きりで夫と3人で暮らしていたアパート、街に住み続けるということは思い出がたくさんあってしんどいかも、という思いも出始めました。

もちろん、仕事があっても日本に帰りたければ帰るのでしょうが、私の中で引っかかっていることがいくつかあります。二人で築き上げたアパートや思い出の品々、夫の遺品、そして夫の家族のこと。。。息子は彼らにとっても夫の忘れ形見なので、そう簡単に「では、日本に帰ります。」とは言えないのです。

ちなみに、夫の家族は誰一人として「日本に帰る?」と聞いてきたことはなく、いるのが当たり前くらいに思っています。もともとこちらで違う仕事をしていましたが、嫌になって日本へ帰ろうか、違う国へ行こうか、と思っていた時に夫に出会いました。夫がいたからまだフランスに住み続けようと思っていたのに、夫亡き今フランスに住む意味が分からなくなっています。

 

息子の教育のため?夫の家族は優しいですが、兄弟それぞれカップルで仲睦まじくいる中で、私は独りぼっち(カップルという意味で)という空しさもありつつ・・・色々考えだしたらキリがありませんが、これは今すぐ出すべき答えでも出せる答えでもないと思うので、もう少し色々と様子を見ながらじっくり結論を出そうと思っています。

 

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